【ボケた?】ばあちゃんが飲んだコーヒーはすごく苦かった。

僕のばあちゃんは、150cm前後と小柄な身長にポッチャリとした体型をしている。

性格はちょっと頑固者だが優しく、僕がばあちゃん家から家に帰る時には必ず見送ってくれるそんな人だ。
そんな、ばあちゃんから最近やたらと電話がかかってくる。電話の要件を聞くと、「特になか。ごめん間違って当たったごた」と言う。これが週に1〜2回と2.3ヶ月と続くもんだから、僕はもしやボケたんやないかと疑っていた。

 

最近ばあちゃん家に行く機会があったため、最近の近況などを聞くことにした。
どうやら最近は、車の免許を返納し外に出る機会がめっきりと減り運動不足になっているらしい。そのため、朝早くに起きて、テレビを見ながら準備体操を行なっているとのこと。準備体操じゃ運動不足カイショウにはならんやろ、そこらば散歩してこんかと、思ったが迷子になったら怖いと思い、頭の中にそっとしまった。

 

話は変わり、今朝準備運動の後に飲んだコーヒーの話になった。
「そういえば、今日ペットボトルのコーヒを飲んだんやけど、えらい苦くて、最近の若かもんはこんなのば飲みよっとね?」

「もうあたしはタマがったよ」 ※タマがったよ=驚いたよ

と言うため、砂糖を入れてないからじゃないと伝えると、普段から飲んでいるコーヒも砂糖を入れていないと言う
僕は電話の件もあったため、話半分に聞き、世の中には不思議なこともあるもんやねと流した。

 

そんなたわいも無い話をしていると帰る時間になった。
僕が帰ろうとすると、ばあちゃんがあわてて冷蔵庫の方へ、小走りで歩いていき、2本のペットボトルを持ってくる。持ってきた飲み物は、どちらもコーヒーで、僕に1本やると言う。なんと優しいばあちゃん、恐らく帰りの運転で眠くならいように渡したのであろう、、と思ったが、僕はすぐに勘づいた。これはさっき話していた、苦いコーヒーだなと。ばあちゃんめ、いらないものを僕に押し付けようとしているなと思い、ふとラベルを見る。

そこには驚きの2文字"希釈"。よく説明のところを読んでいくと5倍希釈と書いてある。これはカルピスの原液とおなじ濃度。もしやと思い、ばあちゃんの持っているペットボトルを見て見ると、同じく希釈して飲むもので、コップ一杯分は飲んでいる
そして、今思えば、なぜ飲みかけのも持ってきた。新品だけ持ってくればよかろうに。
あわよくば、それも渡そうとしていたのか、と色々推測してしまう。

「これは水や牛乳で薄めて飲むものよ」

「あぁ、これは割って飲むものね。知らんかった〜」

と互いに笑い、僕は貰った飲み物をそっと玄関に置き家に帰った。
次に帰るときはどんな話題があるだろうか。今度帰った時は、ばあちゃんが好きなケーキでも買って行こう。